「世界広布新時代 拡大の年」に思う

 2016年、「世界広布新時代 拡大の年」 明けましておめでとうございます。本年も何とぞ “創価教学随想” をよろしくお願い申しあげます。

 何よりも嬉しいことは、小説 『新・人間革命』 第29巻の連載が開始されたことです。
 第29巻の初めの 「常楽の章一」 には

  さあ、朗らかに対話をしょう
  胸に歓喜の太陽をいだいて。
  語り合うことから、
  心の扉は開かれ、
  互いの理解が生まれ、
  友情のスクラムが広がる。

  対話とは――
  心に虚栄の甲冑(かっちゅう)を纏(まと)って、
  空疎な美辞麗句を、
  投げかけることではない。
  赤裸々な人間として、
  誠実と信念と忍耐をもってする、
  人格の触発だ。


 「世界広布新時代 拡大の年」 の聖教元旦号での池田先生の初御指導は、「さあ、朗らかに対話をしょう」 であります。
 広宣流布の拡大にとって、「対話」 は基本中の基本、修行中の修行の最重要なことであります。今まで、耳にタコができるほど聞いておりますが、年を取ってくると 「或は心ざしは・あつけれども身がうご(合期)せず」(1149P) と言うようなことで、不如意を感じております。
 然れども、池田先生は米寿(八十八歳)になられて、『新・人間革命29巻』 の新聞連載を、後世のために 「その執筆は、限りある命の時間との、壮絶な闘争となるにちがいない」 (同1巻・はじめに) とのご決意の壮絶なる戦いを開始されています。
 それに比すれば、まだ、八歳も若い小生なぞ、身が不如意なんて言ってはおられない。またとない 「拡大の年」 に、朗らかに・はつらつと対話して、新しい友人の拡大に励んでまいります。

 いま、世界では 「宗教間対話」 の必要性が叫ばれています。池田先生は、宗教間対話について、次のように述べられています。

 仏教徒である前に、人間である。イスラム教徒である前に、人間である。キリスト教徒である前に、人間である。対話を通して、人間性という共通の大地に目を向け、友情が生まれれば、そこから互いの長所も見えてくる。学びあおうとする心も生まれるのだ。

 大切なのは対話である。二十一世紀の宗教は、開かれた宗教でなくてはならない。開かれた宗教とは、人間を狂信的、閉鎖的にするのではなく、開かれた人間へと育てていくものである。

 宗教間対話が実りをもたらすためには、互いの教義の比較や優劣を争うことに目を奪われてしまってはいけない。むしろ、現実の社会の問題を解決するためにどうすればよいのかという、問題解決志向型の対話を進めることが大切になるのではないだろうか。  (池田大作名言100選・120P)

 我らの世代は、「対話」 といえば折伏を、折伏といえば “四個の格言” などを思い起こしますが、今どきの方々は、念仏・禅・真言宗なぞ、真剣に信じている人は殆んどおりません。初詣でとか・お祭りとか・法要とかいって、ただ慣習に従っているだけである。
 そのような一般大衆に向かって、“念仏無間・禅天魔・真言亡国” 等々と、叫んでも無意味なのである。
 
 それよりも、現実に起きている “地球温暖化・大災害・テロ暴力・戦争難民・民族地域格差” 等々の 地球的規模の問題解決が、喫緊の課題となっているである。
 なぜ、こうなったのか。それには、人間を忘れ生命を軽視する物質文明を偏重し、人間の欲望を解き放したからである。これからは、人間生命を根本尊敬とする 「人間主義文明」 を創出しなければならないと思います。
 したがって、池田先生は、世界広布新時代の対話は、“「問題解決志向型の対話」 を進めることが大切になるのではないだろうか” と、ご指導されています。

 そして、聖教新聞元旦号の漫画 “おおぞら家族” (10面)にも、対話について語っています。
  1コマ……『世界広布新時代 拡大の年』 開幕 〔拡大の年だ頑張ろう〕 おう〃 〔いかに
        拡大すべきか……〕

  2コマ……〔会って語れば人材の陣列も広がるわ〕 〔語った分だけ境涯も広がるわね〕
  3コマ……〔今年は『申年』だ 『申(さる)』 は 「申(もう)す」 の意もある〕 〔うん 大いに語る
        年だ

  4コマ……〔動いた分だけ友好も広がる〕 〔友情の拡大こそ平和の第一歩です〕
        マンガの絵は新聞で見ていただければ幸いです。

  「常楽の章一」 の後半部分には、
  対話は――
  励ましの力となる。
  希望の光となる。
  勇気の泉となる。
  生命蘇生の新風となる。

  さあ、はつらつと対話しょう
  心と心に橋を架けよう
  その地道な架橋作業の彼方、
  人も、世界も一つに結ばれ、
  人間勝利の絢爛(けんらん)たる平和絵巻は広がる。
 

 また、「グラフSGI 」 1月号には、
  2030年 創立100周年へ
  新たな地球文明の創出を と、ご指導されています。
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学会永遠の五指針①(一家和楽の信心)

 池田SGI 会長講義 「世界を照らす太陽の仏法」 は、第9回 「創価学会永遠の五指針①」 であります。副題に “一家和楽の信心――わが家を幸福安穏の城に” とあります。

 五指針とは、戸田先生の御遺言ともいうべき 「永遠の三指針」 に、後に二指針を加えた師弟共同の指標が、「創価学会永遠の五指針」 です。
 すなわち――
  一、 一家和楽の信心
  二、 幸福をつかむ信心
  三、 難を乗り越える信心
  四、 健康長寿の信心
  五、 絶対勝利の信心

 の五指針です。この 「永遠の五指針」 の先生の講義を学んで参りたいと思います。

 〔「成長家族」 「創造家族」 に〕 という項目には、
 私は、「成長家族」 「創造家族」 という言葉が大好きです。
 家庭は、人生の基本となる 「安心」 と 「希望」 の拠点であり、「幸福」 と 「平和」 の基地にほかならない。日々の生命と活力の蘇生の場であり、前進と充実を生み出す創造の絆であり、和楽と成長の城です。
 ………
 家族は、日蓮仏法の信仰において、かけがえのない テーマです。ゆえに 「一家和楽の信心」 が1番目に掲げられているのです。


 「家庭」 について、その意義を簡潔に述べられており、文も詩的でありますので、暗唱し易いのではないかと思います。

 「和楽」 という、世界平和の縮図を実現するために、いかにあるべきか。
 第一は、自らが 「家庭の太陽」 となって、慈悲の陽光で皆を包み込むことです。
 第二は、親子、夫婦という家族の絆は、三世の宿縁であることを知って、互いに尊敬し合うことです。
 第三は、社会に貢献しいくことと、その後継の流れを創り出すことです。


 以上の 「和楽」 についての三点は、いずれも重要なことでありますが、ここでは後継について学びたいと思います。

 〔女子は門をひらく〕 という項目のところに、
 大聖人が時光に与えられた御書で 「女子(おなご)は門をひら(開)く・男子(おのこご)は家をつ(継)ぐ」(1566P) と仰せの通り、信心を継承した女性の使命とは、一家一族の 「幸福の門」 を開き、地域社会の 「繁栄の門」、そして広宣流布の 「勝利の門」 を開きゆくのです。
 ………
 ともあれ、親から息子や娘へという、信心継承の ドラマの中に、一家和楽の要諦もあるといって過言ではありません。そのためにも戸田先生は 「子どもは、学会の庭で育てなさい」 と繰り返し訴えられていました。
 家族で一緒に会合に参加することにも大きな意味があります。子どもたちが、今は分からなかったとしても、信心の息吹を肌から感じることで、偉大なる仏縁を結んでいることは間違いないのです。なかんずく、未来部の担当者の方々の存在は、尊い尊い善智識です。
 親は、どこまでも子どもたちの可能性を信じることです。誰もが末法閻浮提の広宣流布を約束した地涌の菩薩です。いつかその使命に目覚めて立ち上がる時が必ず来ます。
 その時まで諦めずに成長を祈り続けられるかどうか、親の信心が試されているのです。


 わが家にとっても、この後継の問題に悩んでいます。子どもは女子・男子・女子の三人ですが、いずれも、まともな学会活動はしてないようです。
 特に、長男は高校卒業以来、大学・就職といつも遠地で、今は大阪に住んでいて、結婚もせず一人暮らしです。家族の絆が薄かった故か、このごろは留守電ばかりで、返事一つして来なくなっています。
 先生は、“家族で一緒に会合に参加することにも大きな意味があります” と述べられています。私たち夫婦は、子どもの幼児の時から、いつも留守番をさせて活動してきました。寂しい思いをさせた と反省しています。後は、地涌の菩薩として立ち上がることを願っています。
 先生の “親は、どこまでも子どもたちの可能性を信じることです” 並びに “その時まで諦めずに成長を祈り続けられるかどうか、親の信心が試されているのです” とのご指導を、胸に刻み頑張って参ります。

 〔「和楽」の哲学が人類の希望に〕 という項目には、
 五指針の根本中の根本である 「一家和楽の信心」 を目指す実践のなかに、仏道修行の根幹が含まれています。また、ここに、広宣流布への確かな道も含まれているのです。
 ………
 しかし、私たちは、皆、創価家族です。久遠元初からの誓願という最も深く、最も麗しい生命の絆で結ばれています。
 苦労を分かち合い、困難を克服し、互いの成長をたたえ合い、感謝し合う。愚痴を祈りに変え、非難を励ましに変え、苦楽を共にする価値創造の家族から、地域や共同体を変革する希望が生まれます。和楽の家庭が築かれてこそ、真の平和社会が創出されていきます。
 今、世界中で妙法の和楽の家庭が陸続と輝き、そこから、友情と調和と平和の連帯が幾百万、幾千万にも広がっています。家庭革命こそ、人類の宿命転換に直結するのです。
 社会に安心を与える生命の オアシス――それが、私たちの 「一家和楽」 の実証によって、この地球(ほし)の至るところに誕生しています。
 まさに、創価の 「和楽」 の家庭こそ、人類宗教の希望の太陽なのです。
  (大白・2016-1月・29P)

 池田先生は、日蓮仏法を 「人類宗教」 と、グラフSGI には 「地球文明」 と仰っています。新時代は来ているのだ。
 1月度の本部幹部会を拝聴いたしまして、“この地球(ほし)の至るところに”、SGI の戦いによって、“友情と調和と平和の連帯が幾百万、幾千万にも広がっている” 状況を、目のあたりにしたように感じられました。
 この 「世界広布拡大」 の “時に遇(あ)う” ということの身の福運を、一人でも多くの人に語っていきたいと思います。
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「新・人間革命」第5巻〔開道の章〕(対話)

 「新・人間革命」 第5巻は、1961年(昭和36年) の10月8日、ヨーロッパ指導に旅立たれた池田先生が、分断されたばかりの西ベルリンの壁の前に立った日の夜から始まっています。

 〔開道〕 
 地平線の彼方に、太陽は昇った。
 しかし、行く手には、多くに不信と憎悪の、荒涼たる精神の原野が広がっている。切り開くべき道は、遠く、長い。
 彼は、原野に足を踏み入れた。草を分け、茨を払いながら、一歩、一歩と、前へ進む。
 山本伸一の ヨーロッパ訪問は、平和の扉を開き、ヒューマニズムの種子を蒔(ま)く、開道の旅路であった。


 池田先生は、“現在の世界の悲劇も、結局、人間が引き起こしたものだ。ならば、人間が変えられぬはずはない” そして、「地球を一身に背負う思いで、人類の融合と平和への挑戦を開始したのである」 と、ご決意を述べられています。

 「先生は、ブランデンブルグ門の前で、この壁は三十年後にはなくなるだろうと言われましたが、そのための、何か具体的な対策があるのでしょうか」 と、同行のメンバーの一人が尋ねた。
 先生は、笑みを浮かべて答えられました。
 「特効薬のようなものはないよ、ただ、東西冷戦の氷の壁をとかすために、私がやろうとしているのは 『対話』 だよ。西側の首脳とも、東側の首脳とも、一人の人間として、真剣に語り合うことだ。どんな指導者であれ、また、強大な権力者であれ、人間は人間なんだよ。
 権力者だと思うから話がややこしくなる。みんな同じ人間じゃないか。そして、人間である限り、誰でも、必ず平和を願う心があるはずだ。その心に、語りかけ、呼び覚ましていくことだよ。
 東西両陣営が互いに敵視し合い、核軍拡競争を繰り広げているのはなぜか。
 一言でいえば、相互不信に陥っているからだ。これを相互理解に変えていく。そのためには、対話の道を開き、人と人とを結んでいくことが不可欠になる」


 池田先生は、ベルリンの壁の前で “この壁は三十年後にはなくなるだろう” と予言なされてから、29年目の、1989年11月に壁は崩壊しました。御書に 「外典に曰く未萠(みぼう)をしるを聖人という」(287P) とあります。ゆえに、先生は聖人であると思っています。
 先生は、一民間人の立場ながら、東西冷戦の一触即発の状況であった、米・中・ソの三国を相互に訪問され、相互不信に陥っているのを、相互理解に変えていくために、人格と対話の力によって友情を育み、三国間に友好と平和の道を開きました。
 これを契機として、その後は国家間の戦争の脅威は除かれましたが、今は地域や宗教紛争などによる テロの脅威にさらされています。
 テロの暴力に対して、武力で対処しても解決できません。相手を人間として認め、非暴力による 「対話」 のなかにしか、解決の道はないと思います。
 
 「また、もう一つ大切なことは、民衆と民衆の心を、どう繋ぐことができるかです。
 社会体制や国家といっても、それを支えているのは民衆だ。その民衆同士が、国家や体制の壁を超えて、理解と信頼を育んでいくならば、最も確かな平和の土壌がつくられる。
 それには、芸術や教育など、文化の交流が大事になる。その国や民族の音楽、舞踊などを知ることは、人間の心と心を近づけ、結び合っていくことになる。本来、文化には国境はない。これから、私は世界の各界の指導者とどんどん会って対話するとともに、文化交流を推進し、平和の道を開いていきます」


 国と国との付き合いといっても、結局、その民衆同士が、国家や体制の壁を超えて、理解と信頼を育んでいく以外にない分けです。
 先生は、“それには、芸術や教育など、文化の交流が大事になる” と仰っています。
 創価学会は、文化団体として “富士美術館・民主音楽協会・創価大学” などを創設して、文化交流を推進して、平和の道を切り開いてきました。
 これからも、ますます 「文化の拡大」 「対話の拡大」 に励んでまいります。

 〔勝利〕 の章に、冒頭の文言がありますのでご紹介します。
 仏法は勝負である。
 なれば、人生も勝負であり、広宣流布の道もまた、勝負である。
 人間の幸福とは、人生の勝者の栄冠ともいえる。そして、世界の平和は、人類の ヒューマニズムの凱歌にほかならない。
 その勝利とは、自己自身に勝つことから始まり、必死の一人から、大勝利の金波の怒涛は起こる。


 この勝利の章には、1961年(昭和36年)11月5日、国立競技場にて、第十回男子部総会(国士十万結集)が行われたことが書かれています。お読みくだされば幸いに存じます。
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プロフィール

谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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