文字曼荼羅 (2)(文字について)

 日蓮大聖人は 「文字」 について、どのように御指導されているのか、御書を見てみたいと思います。
 「文字」 について書かれている御書は、その殆んどが禅宗を破折された文言のところにあります。

 ご承知のように禅宗は、“不立文字” すなわち、文字を立てないと言って、文字を軽んじ蔑(ないがし)ろにしている。文字を軽んずるが故に、経を軽んじ、その教主である釈尊を軽んじ、祖師無用とまで言っているのである。。
 人倫の道は、知恩報恩にあります。禅宗は師恩さえ侮(あなど)る、人間の道に外れた邪教である。

 では、日蓮大聖人は 「文字」 について、どの様に御指導されているのでしょうか。

 『木絵二像開眼之事』 に、「法華経の文字は仏の梵音声(ぼんのんじよう)の不可見無対色を可見有対色のかたちと・あらはしぬれば顕形の二色となれるなり、滅せる梵音声かへって形をあらはして文字と成って衆生を利益するなり、…… 自身の思を声にあらはす事ありされば意(こころ)が声とあらはる意は心法・声は色法・心より色をあらはす、又声を聞いて心を知る色法が心法を顕すなり、色心不二なるがゆへに而二(にに)とあらはれて仏の御意(みこころ)あらはれて法華の文字となれり、文字変じて又仏の御意となる、されば法華経をよませ給はむ人は文字と思食(おぼしめす)事なかれすなわち仏の御意なり」(468P) と仰せです。

 梵音声とは、仏の三十二相の一つで梵音深遠相(ぼんのんじんのんそう)といい、仏の音声が十方世界に達し、かつ清浄であることをいう。すなわち、仏の説法の音声であります。
 見ることも・形もない音声が、見ることも・形もあるものと変化したものが 「文字」 である。自身の思いが声となってあらわれ、思いは心法・声は色法である。心法より色法をあらわす。
 また、声を聞いて心を知ることができる。色法が心法を顕わしている。色心不二であるが而二(しかも二)とあらわれて、仏の御心は法華の文字となり、文字は変じて又仏の御心となる。
 されば、法華経を読む人は、単なる文字と思ってはならない、すなわち仏の御心と思いなさいとのことです。

 『諸宗問答抄』 に、「文字は是一切衆生の心法の顕れたる質(すがた)なり、されば人のかける物を以て其の人の心根を知つて相する事あり、凡(およ)そ心と色法とは不二の法にて有る間かきたる物を以て其の人の貧福をも相するなり、然れば文字は是れ一切衆生の色心不二の質(すがた)なり、汝若し文字を立てざれば汝が色心をも立つ可からず、汝六根を離れて禅の法門一句答へよと責む可きなり」(380P) と仰せです。

 「文字」 は、一切衆生の心法(生命)が顕われた姿かたちであり、されば人の書きものを以って、その人の心根も・貧福をも人相をみて知ることができる。
 然れば、文字は一切衆生の色心不二の姿であるが故に、もし文字を立てなければ色心の二法も立たず、しからば汝六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)を離れて禅の法門一言でも言って見よ、と破折すべきである。

 『四条金吾殿御返事』 に、「釈迦仏と法華経の文字とはかはれども心は一つなり、然れば法華経の文字を拝見せさせ給うは生身の釈迦如来にあひ進(まい)らせたりと・おぼしめすべし」(1122P)
 
 法華経の文字は生身の釈迦如来、すなわち蓮祖大聖人と思し召しなさいと。また、「本尊とは法華経の行者の一身の当体なり」(760P) と、『御義口伝』 に述べられています。

 『四信五品抄』 に、「妙法蓮華経の五字は経文に非ず其の義に非ず唯一部の意なるのみ、初心の行者其の心を知らざれども而も之を行ずる自然に意に当るなり。(342P) 
 
 妙法蓮華経の五字は単なる文字ではない。「一部の意」 すなわち、法華経・一部八巻・二十八品の中の肝心・要(かなめ)・心髄であり、成仏の種子であります。

 『蓮盛抄』 に、「仏は文字に依って衆生を度し給うなり、問う其の証拠如何、答えて云く涅槃経の十五に云く 『願わくは諸の衆生悉(ことごと)く皆出世の文字を受持せよ』 文、像法決疑経に云く 『文字に依るが故に衆生を度し菩提を得』 云云、若(も)し文字を離れば何を以てか仏事とせん」(153P)

 仏は文字によって衆生を救うのである。ゆえに、衆生は皆・出世の文字(御本尊)を受持しなさいと教えられています。
 以上、何点かにわたって 「文字」 に関する御金言を述べてみました。

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テーマ : 仏教・佛教
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北九州市小倉北区に在住 81歳
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