利の価値

 創価とは 「価値創造」 と言うことです。価値の内容について、当時は、新カント派の 「真・善・美・聖」 の価値観が主流をなしていました。

 牧口先生は、真理の探求は、よりよい生活をするために知識を得るという意味で手段的なものであり、それ自体で価値とはならないとして 「真」 を価値概念から除外しました。

 そして、生活苦にあえぐ社会層の児童を教育していた経験から、生活を維持するための経済活動等から生まれる 「利」 という価値を、重視すべきであると主張しました。

 西洋思想では、経済活動の営利というものが、あまりにも世俗的な日常生活を対象とするため、否定的に評価され、哲学者の思索の対象とは、殆んどならなかったのである。

 牧口先生は、個人的価値の 「利」 を重視しましたが、これと同時に公益という社会的価値である 「善」 と調和すべきであると主張しました。

 また、「聖」 という宗教的価値の独自性を否定し、宗教も個人的 「利」 と社会的 「善」 をもたらさなければ、価値はないと主張しました。そして 「聖」 の価値を価値論の体系から除外しました。

 池田先生は、そして 「大善」 こそが宗教によって実現されるべき最高の価値であるとされました。 「大善」 とは、人間・社会に実現できる最高の価値です。この牧口先生の価値論には 「宗教は人間に奉仕してこそ真の宗教である」 という宗教観がうかがえます。(趣意)  と仰せられています。

 牧口先生は、新カント派の価値概念から 「真・聖」 を廃し、経済学上の 「利」 の概念を、肯定的に受け入れ、哲学に組み入れました。これは当時としては、画期的なことでありました。

 したがって、牧口先生の価値論の内容は 「美・利・善」 となり、これによって 「価値」 というものが、庶民の日常生活の場で、常に 「創造」 しゆくものとなり、人生の目的とも切り離せない哲学概念となりえたのであります。

テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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