三大秘法と三学

 三大秘法について 『御義口伝』 には次のようにあります。
 「戒定慧の三学は寿量品の事の三大秘法是れなり、日蓮慥(たしか)に霊山に於て面授口決(めんじゅぐけつ)せしなり、本尊とは法華経の行者の一身の当体なり」(760P) と仰せです。

 日蓮大聖人は 「戒・定・慧」 の三学を、末法の衆生が簡単に実践できるように、三大秘法として与えてくださいました。すなわち、戒は 「本門の戒壇」、定は 「本門の本尊」、慧は 「本門の題目」として示してくださいました。
 「戒・定・慧の」 三学とは、仏道を修行する者が必ず修学しなければならない 「戒学・定学・慧学」 の三つのことで “仏家の軌則” と云われています。

 「戒」 は、禁戒のことで、身口意の三業において悪を止め非を防ぎ、善を修すること。
 「定」 は、禅定のことで、心を一所に定めて雑念を払い深く真理を思惟して安定した境地に立つこと。
 「慧」 は、悟りの智慧のことで、真理を見究める認識作用で、無明を断じて得られる如実知見の智慧をいう。

 「戒・定・慧」 それぞれの関係は、戒をまもり生活を正すことによって定を助け、定によって智慧を発し、慧によって真理をさとり仏道を証得するという、仏道修行の過程を示したものと云うことができる。
 仏道修行の過程を示したものと云っても、それぞれが分断し独立してあるのではなく、本来一体的なものであり、ゆえに、三学具備してはじめて仏道が成就するのである。
 したがって、仏道修行は基本的には 「戒定慧」 の三学に収まるものであり、また、三学を種々に説き表したものが一代聖教であるとも云えるのである。

 さらに 『御義口伝』 の “見宝塔品第二十此経難事” のところに、
 「御義口伝に云く此の経文にて三学倶伝(ぐでん)するなり、虚空不動戒・虚空不動定・虚空不動慧・三学倶(とも)に伝うるを名けて妙法と曰(い)うと」(743P) と仰せです。

 したがって、爾前経においては小乗教では戒律を、権大乗の般若経では智慧を中心に、禅宗などは禅定に重きをおいており、三学がそれぞれ別々に説かれており、それらは経教によって軽重の差があるのである。
 しかし、法華経においては “三学倶に伝うるを名けて妙法と曰う” とありますように、戒定慧の三学は俱に説かれており、欠けてはないのである。

 では、末法における日蓮大聖人の三学について 『御義口伝』 には、
 「今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉り権教は無得道・法華経は真実と修行する是は戒なり防非止悪の義なり、持つ所の行者・決定無有疑の仏体と定む是は定なり、三世の諸仏の智慧を一返の題目に受持する是は慧なり」(744P) と仰せです。

 “南無妙法蓮華経と唱え奉り権教は無得道・法華経は真実と修行する是は戒なり防非止悪の義なり” と仰せのように、三大秘法の御本尊以外に、絶対に、幸せになる道はない、他はすべて、邪宗教なりと折伏修行する。
 これが 「戒」 であり、“防非止悪” の意味になるがゆえに 「本門の戒壇」 となるのである。

 “持つ所の行者・決定無有疑の仏体と定む是は定なり” と仰せのように、この御本尊を持つ行者は、かならず即身成仏する。すなわち、この身が仏体であると定められ、これが 「定」 であり 「本門の本尊」 となる。
 ゆえに、「本尊とは法華経の行者の一身の当体なり」(760P) と仰せられているのである。

 “三世の諸仏の智慧を一返の題目に受持する是は慧なり” と仰せのように、三世の諸仏の智慧は、一返でも南無妙法蓮華経と唱える、その題目の中に収まっている。これが 「慧」 であり 「本門の題目」 となるのである。

 上記のように、日蓮仏法における 「戒・定・慧」 の三学は、大聖人の行じられる自性清浄にして虚空不動たる三学であり、これを末法の三毒強盛の荒凡夫に、誰もが受持し行じ易いように、「三大秘法」 に開いて示し与えてくださいました。

 『観心本尊抄』 に、「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う」(246P)
 『御義口伝』 に、「末法当今は此の経を受持する一行計りにして成仏す可しと定むるなり」(772P)
 「此の本法を受持するは信の一字なり、元品の無明を対治する利剣は信の一字なり」(751P)
と仰せです。

 何んと有り難きことか、“南無妙法蓮華経” を信受する一行ばかりにて成仏できるのである。それには “元品の無明” すなわち、不幸の根本原因を断ち切るためには、御本尊を信じ奉る “信の一字” しかないのである。
 我ら、この本法を受持する地涌の菩薩の自覚に立ち、池田先生の御指導のもと 「世界広布新時代 躍進の年」 の完勝目ざして邁進しましょう

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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