「新・人間革命」第2巻〔先駆の章〕(“なんのため” に)

 第1巻の(はじめに)のところで、“自身が感じたところを、書き留めてみようと思いました” と書きました。しかし、小説 「人間革命」 を読んでいつも感ずることは、大事なところだ と思うところが多々あり過ぎるということである。ゆえに、甲乙付けがたく、どれを選んでよいのか苦慮するのである。
 したがって、その 「巻」 の最初の 〔章〕 から、一つ二つを選んで引用させて頂こうと思いました。

 〔先駆〕
 歴史的偉業というものは、必ず苦難があり、道は険しく、時間がかかるものである。広宣流布という未聞の絵巻も、また同じであるといってよい。
 ともあれ、正法流布とは、人類の幸福という大海原を開いていくものだ。
 そこには、嵐があり、うねりがあり、怒涛もつきまとうにちがいない。
 そこに身を投じて戦うところに、偉大なる人間革命の法理が存在する。
 (同書・7P)

 小説 「人間革命」 には 〔章〕 の冒頭に、上記のような比較的短い文章があります。すべての 〔章〕 に有るものではありませんが、中には韻文的なものもあります。
 この文章は、その 〔章〕 で言わんとする 核心・精髄が説かれていると思います。丁度、「大白蓮華」 に “巻頭言” というものがありますが、それになぞらえれば “章頭言” とでも言い得るものではないかと思いますので、併せてご紹介いたしたいと思いました。

 人間は “意味に生きる動物” である。人は “なんのため” かが明らかにならなければ、本気になって力を注ぎ込むことはできない。それは、広宣流布の活動においても同じである。皆が、なんのための運動か、なぜ、今、それを行うのかを、よく納得、理解するならば、自主的に行動を開始していくものだ。そして、そこから、さまざまな創意工夫も生まれていく。それが、“現場の知恵” である。知恵は知識を動かす力でもある。
 いかなる運動も、絶えず “なんのため” かという根本目的に立ち返ることがなければ、知らず知らずのうちに、手段や方法が独り歩きし、本来の目的から外れてしまうものだ。そうなれば、一時期は華々しい前進を遂げたように見えても、結局は空転し、最期は停滞する。
 また、皆が、意義、目的を心の底から納得していないにもかかわらず、目標の数や方法ばかりが強調されれば、押しつけられているような思いをいだくにちがいない。すると、皆の活動に取り組む姿勢は受け身になる。受け身の行動には歓喜も躍動もなくなる。それでは、いかに高邁(こうまい)な運動も、やがては行き詰まってしまうにちがいない。
 意義、目的の理解と合意ができたならば、目標の設定である。目標は、組織としても、個人としても、より具体的でなければならない。目標があれば、張り合いも出るし、達成できた時の喜びも大きいものだ。
 そのうえで、いかにしてそれを達成するかという、方法の検討が大切になってくる。そして、その達成の道は、座談会の充実にあることを訴えていった。
 (同書・22P)

 広布の活動も、絶えず “なんのため” かという根本目的に立ち返ることがなければ、手段や方法が独り歩きし、本来の目的から外れてしまう と指導されています。
 かつて、折伏や法戦活動の場において、地区・世帯数の何倍までやろう とか言って、目標の数や方法ばかりが強調されるようなことが、まま見受けられました。
 活動の意義、目的を納得するためには、教学の研鑚が必要であると思います。
 大聖人は、「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず」(1361P) と仰せです。
 教学を学ばなければ、仏法の本義を理解することは出来ないし、自身の正しい人生観・生死観を確立することも出来ない。ゆえに、間違いのない人生を処することも出来なくなってしまう。

 〔民衆の旗〕
 民衆!
 あなたこそ、永遠に社会と歴史の主人公だ。
 いかなる理想も、民衆の心を忘れれば、観念と独断と偽善になろう。正義も、真理も、民衆の幸福のなかにある。
 (同書・266P)

 この 〔民衆の章〕 の冒頭の文章である。 “民衆” を、端的に示されています。民衆の幸福に、正義も、真理も寄与すべきである。すなわち、“人間のために、宗教はある” のである。これを 「創価思想」 というのであります。

テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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