「新・人間革命」第8巻〔布陣の章〕(保守か革新か)

 『新・人間革命』 第8巻は、1963年(昭和38年)5月から 64年2月までが主な舞台である。
 64年の東京 オリンピックに向けて、日本は目覚ましい経済成長を続け、国際関係への関心が高まりつつある時代だった。
 半面、63年11月9日には、大牟田の三井三池炭鉱で炭塵爆発事故発生、犠牲者458人。同じ日に、横浜の鶴見で国鉄二重衝突事故、161人の犠牲者を出した。共にわが国最大の事故が、東と西で起こった。
 海外では11月22日に、アメリカのケネディ大統領が暗殺されるなど、世界の情勢も激動していた。

 〔布陣〕
 川には源がある。御聖訓には 「源遠ければ流長し」(1180P) と。
 創価学会にも精神の光源がある。
 それは、初代会長牧口常三郎と第二代会長戸田城聖が織り成した、燦然と不滅の光を放つ、師弟不二の道である。その精神が脈打っている限り、広宣流布の流れは、永遠に世界を潤し続けるであろう。
  (新・人間革命8巻・7P)

 この 「牧口先生・戸田先生の精神」 をいかにして永遠のものにしていくかということであった。
 池田先生は、“学会が発展するにつれて、幹部のなかに、その精神が希薄になっていきつつあることに、憂慮を覚えたのである” と。
 そして、会長就任三周年となる、5月3日の第25回本部総会を前にして、“未来の大発展のために、この兆候の根を断ち、まず幹部の胸中に、学会精神をみなぎらせることから始めようと、ひそかに決意したのである” と述べられています。

 総会での会長講演は、「今また、『詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん』(232P) との御金言を胸に刻み、皆様方のご協力を賜りながら、来年四月二日の恩師の七回忌を、五月三日をめざして、再び広宣流布への一歩前進の陣頭指揮をとっていく決意でございます」
 新たなる前進の獅子吼が轟き渡った、
のであります。

 一方、公明政治連盟も大きな飛躍を遂げ、地方議員は千名を上回るまでになって、世間の目を引くようになってきた。
 四月に行われた統一地方選挙の際に、一部の評論家や マスコミが “学会は保守か、革新か” という問題を盛んに取り上げていた。宗教団体である創価学会を、政治的な狭い次元で論じようとするのだから、的外れにならざるを得ない。 
 そこで先生は、総会の場で、正式に、学会の根本的な立場について、言及されました。

 「経文には、『無量義とは一法より生ず』 と仰せですが、南無妙法蓮華経を、御本尊を根本として、日蓮大聖人の生命の大哲理を根底に、全世界の民衆を幸福にし、永遠の平和を築いていくのが、学会の精神であります。
 したがって、保守の人であろうが、革新の人であろうが、三世の生命のうえから、すべて平等に幸福の道を教えていくのが、私どもの使命といえます。
 自由主義も、自身を律する生命の規範がなければ、退廃と混乱の弱肉強食の社会になってしまう。社会主義もまた、人間自身の革命がなければ、人間を抑圧する冷酷な制度となってしまう。
 自由主義も社会主義も、保守も革新も、ともに指導していく大哲理に生きるのが、わが創価学会です。その意味では、もし革新という言葉を使うならば、学会は、現在、社会でいわれている “革新勢力” とは次元を異にした、真実の革新ということができます。
 大聖人の仏法は、永遠不滅の、三世にわたる幸福を説く生命の大法であり、一切衆生の成仏のための法であります。また、御本尊の力は無限であり、宇宙大であります。
 私どもは、その法を弘めて、現実に三百万世帯を超す人びとに、幸福の道を開いてまいりました。
 この人間革命を機軸とした、民衆の蘇生の大運動に確信をもって、保守か革新かといった、極めて政治的な狭い次元にとらわれることなく、堂々と、わが使命の道に邁進してまいろうではありませんか」
 ………
 伸一は、大事な会員が、学会を政治の次元でとらえようとする世間の論評に惑わされ、信仰の王道を見失っていくことを憂慮していたのである。
  (新・人間革命8巻・24P)

 創価学会は、“保守とか、革新とか” どちらか一方に決められるような存在ではない。保守も革新も、そうであると言えばそうだし、そうでないと言えばないのである。
 では、何なのかと言えば、それは 「中道主義」 なのである。この 「中道」 は、足して二で割るとか、右・左の中間を行くという中庸の概念ではないのである。
 「中道」 とは、日蓮大聖人の大生命哲理を根底にして、政治を行っていくのです。これは 「人間主義」 「生命尊厳主義」 とも言い得るものです。この正しい 「法」 に則って進むのが 「中道」 です。
 先生は、“大事な会員が、学会を政治の次元でとらえようとする世間の論評に惑わされ、信仰の王道を見失っていくこと” のないようにとご指導されています。十分に、気を付けてまいりましょう。

 〔清流〕
 言論は、人間の人間たる証である。
 暴力、武力に抗して、平和を築きゆく力こそ言論である。
 広宣流布とは、言論によって、精神の勝利を打ち立て、民衆の幸福と永遠の平和を建設する、新しき ヒューマニズム運動といえる。
  (同書・192P)

テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

Author:谷 建二郎
 
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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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