「希望の源泉」(1)(宇宙的 ヒューマニズム)

 雑誌 『第三文明』 に、作家・佐藤 優氏の 「希望源泉」 (池田思想を読み解く) が新しく連載されました。
 第 1回 は、〔『法華経の智慧』 に見る 「民衆宗教」 と 「人間主義」〕 であります。

 『法華経の智慧』 は、当ブログにも数多く引用させてさせて頂いています。法華経を学ぶためには無くてはならない、池田先生の代表的著作の一つであると思っています。
 佐藤 優氏は、同志社大学大学院神学研究科を修了された、歴とした プロテスタントの宗教学者であります。佐藤氏の眼から見て 『法華経の智慧』 を、どのように評価してくださるのか、興味の湧くところである。
 
 〔「宗教改革の書」 でもある 「法華経の智慧」
 まず冒頭に佐藤氏が、『池田大作全集』 全150巻を買いそろえました とのこと、1~2年かけて全巻通読に チャレンジしていくと決意を披歴しています。お忙しい身で、全巻読破もさることながら、全150巻をそろえることは並大抵のことではありません。すごいことで、今後のご活躍を願っています。
 この新連載の 「希望の源泉」 は、司会者とわかりやすい対話形式で進められています。大聖人の 「立正安国論」 も問答形式で書かれており、池田先生の思想を読み解くうえでふさわしい スタイルだ、と語られています。

 佐藤 優  『法華経の智慧』 の連載が開始されたのは1995年。……1991年 ソ連崩壊で共産主義という一つの価値観が崩壊し、世界に巨大な思想的空白が生まれた。 その空白を埋めるため、ナショナリズムという危険な思想が世界に蔓延(まんえん)しかかっていた。 そのような節目の時代にあって、人類が ナショナリズムの方向に進まず、平和な 21世紀を生きていくための 「人間主義の思想書」 として構想されたのが、『法華経の智慧』 だったのではないでしょうか。
 と同時に、『法華経の智慧』 は、今まさに本格化している 「創価学会の世界宗教化」 の、基盤となり得る書物だと思います。
  (第三文明・2016-8月・53P)

 21世紀に入り、大国の国家間の紛争はなくなったようですが、民族・宗教・地域紛争・テロ暴力事件・自然災害等は、ますます盛んに頻発しております。未だ世界は、この問題の解決への道を見い出していません。
 大聖人は、「大悪は大善の来るべき瑞相なり、一閻浮提うちみだすならば閻浮提内広令流布はよも疑い候はじ」(1467P) と仰せです。“平和な 21世紀を生きていくための 「人間主義の思想書」” としての 『法華経の智慧』 の重要性は、ますます高まっていくと思います。

 〔生命への畏敬から生まれた 「人間主義」
 この項で、池田先生が “宇宙的 ヒューマニズム” と発言されたことが述べられています。

 佐藤  『法華経の智慧』 は、池田会長の 「人間主義」 の思想が本格的に、また多角的に論じられている書物だと思います。 たとえば…… 会長が次のように述べるくだりがあります。
 「共産主義も資本主義も、人間を手段にしてきたが、人間が目的となり、人間が主人となり、人間が王者となる―― 根本の人間主義が、『経の王』 法華経にはある。 こういう法華経の主張を、かりに 『宇宙的人間主義』 『宇宙的ヒューマニズム』 と呼んではどうらろうか」 (上巻・25P/「普及版」による)
 従来のあらゆる政治思想・経済思想が人間を手段視してきたのに対し、池田会長の掲げる人間主義は、人間が目的となる、というのです。
 また、「人間主義」 は英語の直訳すれば 「ヒューマニズム」 ですから、従来の ヒューマニズムとどう違うのかがわかりにくかった。その点をふまえ、池田会長は 「宇宙的ヒューマニズム」 という新しい言葉を作られた。
 従来の ヒューマニズムは、「人間中心主義」―― つまり、「地球の自然は人間が利用するためにある」 と考える傲慢(ごうまん)さを孕(はら)んでいました。 それに対して、池田会長の人間主義、ひいては法華経の人間主義は、地球という狭い枠にとらわれない宇宙的視座からの ヒューマニズムだというのです。 地球においては人間が覇者(はしゃ)ですから、「人間がいちばん偉いのだ、特別なのだ」 という傲慢に陥(おちい)りがちです。 しかし、宇宙的視座から考えれば、人間は宇宙の覇者ではないし、地球も宇宙の中心ではありません。したがって、宇宙的 ヒューマニズムは単純な人間中心主義ではあり得ないわけです。


 ―― 従来の ヒューマニズムが陥った 「人間中心主義」 は、生命軽視が生んだものですね。 動植物を人間が生きるための手段として捉えてしまったのですから……。 それに対して、池田会長の人間主義の根底には、すべての生命のなかに仏性があるとする法華経の思想をふまえた 「生命至上主義」 があります。

 佐藤  よくわかります。 「生命の尊厳を根底に据えた人間主義」 であるからこそ、池田思想は環境破壊や、他者の生命を蹂躙(じゅうりん)する戦争には結びつかないのです。 そして、他者の生命の尊重が根底にあるから、池田会長は宗教間対話においても相手を最大限に尊重して対話に臨むことができる。相手の生命の奥底にある仏性を見据えての対話であるからでしょう。
  『法華経の智慧』 が、「二十一世紀の宗教を語る」 という副題を持つことは象徴的です。 「宇宙的人間主義」 を掲げた SGI こそ、二十一世紀において異なる宗教を結ぶ役割を果たし得るという自負が、この副題から感じ取れる気がします。
  (同誌・57P)

 「人間中心主義」 と言えば聞こえはよいが、“「人間がいちばん偉いのだ、特別なのだ」 という傲慢に陥りがちです” と言われるような危険性があるのである。 そこからは、人間が主人公になり、動植物や環境まで利用して当然とする考えになってしまった。その結果が、現世の混沌とした世情の姿である。
 これを正すには、“すべての生命のなかに仏性があるとする法華経の思想” すなわち、「法華経の人間主義」 「宇宙的 ヒューマニズム」 の思想を基盤としなければならないのである。 

テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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