「希望の源泉」(5-a)(危機を乗り越えるために)

 「希望源泉」(池田思想を読み解く) の第 5回は、〔生命論として 「諸法実相」 を読み解く書〕であります。
 今回からは、いよいよ法華経の 「方便品」 についての章になります。 

 〔「クライシス」 としての危機を乗り越えるために〕
 まず、章の冒頭にある池田先生の言葉が記されています。
 「今は乱世です。思想も社会も乱れている。
 そうしたなか、心ある人々は、日本と世界の行く末を真剣に考え始めた。 このままでは、柱のない家のように、人間も社会も崩れていくのではないか ―― そういう危機感を強く抱いているようです。……」
 (普及版」上巻・127P)  
 今は 「危機の時代」 であると、この時こそ、まさに “危機の時代を生きる羅針盤” として 『法華経の智慧』 は読まれるべき書だ と述べられている。 

 そして佐藤氏は、危機について説明されている。
 佐藤 勝  一口に危機といっても、さまざまな性質と次元の危機があります。 英語には 「リスク」 「パニック」 「クライシス」 など、危機を表す単語がいろいろあり、危機の性質によって使い分けがなされます。
 「リスク」 は、「リスクマネジメント」 という言葉があるように、「マネジメント(管理)できる危機」―― つまり計量可能で対処しやすい危機を意味します。
 「パニック」 は、ギリシャ神話の 「パーン」 という牧神が恐慌(きょうこう)に陥(おちい)った エピソードが語源になっているように、個人や集団の恐慌状態が引き起こす危機を指します。つまり、精神科医や社会心理学者が主に対処すべき危機と言えます。
 三つ目の 「クライシス」 は、最も対処が難しい危機です。 クライシスの語源となった ギリシャ語 「クライシス」 は、「峠(とうげ)・分かれ道」 という意味です。 つまり、大きな転換点にさしかかったときに選ぶ道を誤ることがもたらす危機が、「クライシス」 なのです。
 (第三文明・2016-12月・53P)

 池田先生が、論じられている 「危機」 とは、まさに 「クライシス」 としての危機なのであります。
 佐藤氏は、“クライシスは リスクや パニックとは違い、一般的な危機管理の技法で対処するのは難しい。 だからこそ、時代の先を見通す慧眼(けいがん)を持つ優れた宗教者や思想家が、「炭鉱のカナリア」 としての役割を果たして、広く社会に クライシスへの警鐘(けいしょう)を鳴らすべきなのです” と そして、池田先生に期待を寄せられています。

 〔主体性を失わず運命に立ち向かう姿勢〕
 佐藤  池田会長の危機の捉え方の特徴として、「危機は必ず乗り越えられるし、乗り越えることによって宿命転換し、大きく成長できる」 というある種の楽観性が挙げられます。 それは、日蓮仏法の特徴でもあるのでしょう。 ………
 言い換えれば、人間が自らの主体性を失わないまま、宇宙の法則性などの面から運命の意味を深く考えさせるのが、世界宗教の役割の一つなのです。 「主体性を失わないまま」 とは、運命をただ甘受するのみならず、そこに主体的に関わっていくということです。 ここに創価学会員の強さが主体的に表れています。
 と述べています。 (同誌・54P)

 司会者が、池田先生の運命の捉え方を象徴する エピソードを紹介しています。
 ――  日蓮の 『撰時抄』 は 「世界広宣流布の未来記」 と言われる重書であり、「予言の書」 と見なされることが多い御書です。 そのなかに、「前代未聞の大闘諍・一閻浮提に起るべし」(259P) との一節があります。……
 この一節について、そこにいた教学部の幹部が 「第三次世界大戦が起こるという意味ではないでしょうか?」 と言ったのに対して、池田会長は厳然と次のように言ったというのです。

 「われわれは、第二次世界大戦をもって、『前代未聞の大闘諍』 と決定しょう。 どんなことがあっても、第三次世界大戦は起こさせない。 そのことを御本尊に強く願い、死身弘法を誓おうではないか」 (上巻・182P)
 
 佐藤  私もその個所に感動しました。 意志の力によって宿命を打開しょうとする、池田会長の姿勢を象徴するエピソードですね。

 ここで 佐藤氏は、「予言」 と 「預言」 の違いについて述べられている。
 「預言 」 とは、「神の言葉を預かる」 という意味です。 「予言」 が不特定多数に対してなされるのに対し、「預言」 は常に個人に向けてなされます。 預かった側は、神の言葉を受け入れて行動するか、拒んで神の道から外れるかという、究極的な二者択一を迫られます。

 佐藤  しかし、御書の言葉の受け止め方において、池田会長には預言者のような イメージがあります。 つまり、日蓮から自分が使命を託されたかのように受け止めている、と私には感じられるのです。 (同誌・55P) と述べられています。

 池田先生は、すでに 20年以上前から、今日の 「危機の時代」 を予見されています。キリスト教などのいう 「預言者」 に当たると思います。
 今年、イギリスは EU から離脱を決定しました。その外にも 民族主義による紛争などにより、世界は分離・分裂の混沌たる現状である。
 そのうえ、ロシアの プーチン大統領は、クリミア半島併合の時、核兵器の使用を考慮したと発表した。
 アメリカの トランプ次期大統領は、米国は核能力を大幅に強化する必要があるとの見解を示した。 オバマ現大統領の 「核なき世界」 の ビジョンは何処へ行ったのだろうか、憂慮すべき事態である。
 今や、小国の北朝鮮までも核兵器を保有し、核拡散は世界中に広まりつつある。今後、地球の何処においてでも 核兵器が使用される可能性がある。これを切っ掛けとして、第三次世界大戦が勃発しないとも限らない。まことに憂慮すべき事柄である。

 日蓮大聖人から世界広宣流布の使命を託された我ら学会員は、“地涌の菩薩” であることを自覚し、池田先生の “どんなことがあっても、第三次世界大戦は起こさせない。 そのことを御本尊に強く願い、死身弘法を誓おうではないか” とのご指導を体し 実践するのみである。

テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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