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「希望の源泉」(23)(創価学会の生死観)

 「希望源泉」 (池田思想を読み解く) の第23回は、「よく生きる」 ことを促す 創価学会の死生観 であります。今回も 「見宝塔品」 の章がもう少し続きます。  (第三文明・2018/6月・53P)

 ナショナリズムを相対化する 「人間主義」
 佐藤 優  「法華経の智慧」が、現在進行形の時事問題を考えるうえでも示唆(しさ)に富んでいると感じます。たとえば、この章には次のような池田会長の発言があります。
 「国といっても、要は人間です。 人間の集まりであり、人間がつくるものであり、人間が変えられないはずはない。 また国家も 「人間のため」 にあるのです。
 この素朴(そぼく)にして明快な事実が、さまざまな 『とらわれ』 から見えなくなる。 独善的な イデオロギーにとらわれ、小さな利害にとらわれ、感情にとらわれ、誤った知識や先入観にとらわれ、根本的には人間と生命への無知にとらわれて、自分で自分を狭い世界に閉じ込めてしまうのです。 その 『とらわれ』 の鎖(くさり)を断ち切れば、相手を 『人間として』 尊敬できるようになる。 そこから 『人間として』 の対話が始まります」
 (法華経の智慧3巻・55P)

 佐藤氏は、現今の北朝鮮の核問題について、多くの日本人は、北朝鮮を 「独裁者に支配されている国」 としか見ていない。 そこには苦しんでいる多くの民衆がいること――そういう当たり前のことが、さまざまな 「とらわれ」 によって見えなくなってきている。
 日本の一部には、米軍が北朝鮮を攻撃し、その戦争を望むかのような論調があった。 それはまさに、北朝鮮も 「人間の集まり」 であることが、見えなくなっている姿である と語られています。
 
 佐藤  私は池田会長の次の言葉が大好きで、いろいろなところで引用しています。
 「国家主義というのは、一種の宗教である。 誤れる宗教である。 国のために人間がいるのではない。 人間のために、人間が国をつくったのだ。 これを逆さまにした “転倒の宗教” が国家信仰である」 (『池田大作名言100選』・119P)
 ………
 池田会長の思想とは、“人間主義によって ナショナリズム(国家主義)を相対化する思想” なのです。 そして、ナショナリズムを相対化する力の源になっているのが、この章で論じられている 「生命こそ宝塔である」 という思想なのだと思います。 生命が宝塔であるという思想からは、生命を持つ人間という尊い存在を道具視したりする国家主義的な視点は、決して生まれてこないはずですから……。

 ――  池田会長の 「人間主義」 は 「主義」 という言葉がついているので誤解されがちですが、イデオロギーではないんですね。 イデオロギーを超越した思想であり、いわば “イデオロギーを人間に奉仕させるための哲学” なのです、 と語られています。
 佐藤氏は、あらゆる既成の イデオロギーを、人間という共通項で包み込む思想ということですね、 と答えられています。
 そして、今の日本は、籠池・森友学園元理事長の 「神道は宗教ではない」 という発言や、日本共産党の 「国民連合政府」 構想なるもののなかに、国家主義台頭の危険性がある と。
 そうだからこそ、池田会長の “国家主義を相対化する人間主義” は、いよいよ その重要性を増してきているのであります。

 「独裁者」 と 「指導者」 は紙一重
 この章のなかに、指導者と独裁者の違いについて論じられています。
 「指導者」 と 「独裁者」 は違う。 指導者というのは、自分が皆のために苦しんでいく人なのです。
 大聖人は 「元品の無明」 は 「第六天の魔王」 と顕れ、「元品の法性」 は 「梵天・帝釈等」 と顕れる(997P、趣意) と言われている。
 魔王は独裁者。 梵天・帝釈は指導者です。 両者の違いは決定的です。 「天地雲泥」 と言える。 一方、一念の世界においては、「紙一重」 とも言えるのです。
 (同書3巻・79P)

 佐藤  この一節が示すように、「独裁者だから矯正(きょうせい)不可能だ」 などという発想は、池田会長の思想、ひいては日蓮仏法のなかにはないのですね。 民衆を虐(しいた)げる邪悪な独裁者となるか、民衆のために尽くす賢明な指導者となるかは、その人間の一念の違いであって、どちらにもなり得る、 と語られている。
 実際に、古代インドの アショーカ大王は、はじめ暴虐な王であったが、仏法に帰依してから民衆を愛する賢王に変わった。 いま米朝首脳会談で、時の人となっている 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長についても、仏性は持っているのだから、善縁に会えば独裁者からよき指導者に変わり得るというのが、仏法の人間観である。
 6月12日の会談が、一歩前進の有意義なものになることを願っている。

 「死をどう捉えるか?」 の確かな答え
 佐藤氏は 「生命こそ宝塔である」 という生命尊厳の思想を持つている学会員の皆さんは、少なくとも、宗教を持たない一般人に比べれば、死を忌み嫌わない傾向がある、と感じられると語っています。
 ――  池田会長の米ハーバード大学での講演 「21世紀文明と大乗仏教」(1993年)のなかに 「生も歓喜、死も歓喜」 という有名な言葉があるように、死さえも絶対的な静止状態とは捉えず、次の生に向けてのいわば “変化の一断面” として捉えます、と語っています。
  参考 : ハーバード大・講演の関連ブログ ―→ ここから

 佐藤  日蓮仏法、創価学会には、死を美化するような思想はないですね。 生から逃避し、死を美化するような宗教は、テロリズムや戦争と結びつきやすいという危険性を孕んでいますね。 「神のために殉教すれば天国に行ける」 と、多くの人命を奪い、自らも死ぬ自爆テロに走る イスラム原理主義の テロリストたちは、その最たる例です。 自分の命を軽視すると、他者の命を奪うための ハードルも下がってしまいます。
 ………
 創価学会は 「生命こそ宝塔」 という宗教であるから、生命軽視には決してつながらないのです。
 生命を重んじたうえで、死を恐れない――それが、創価学会の持つ強さの大きな要因になっていると感じます。
 「哲学とは死の練習である」 という、プラトンの 『パイドン』 のなかに紹介された ソクラテスの名高い言葉があります。 死をどう捉えるかは、古代から現代に至るまで哲学の重要な テーマであったし、哲学を包含する宗教もまた然(しか)りです。
 ………
 決して体験できない、想像するしかない死の世界を、どう捉えるべきか? そして、死の恐怖というものをどう克服すればよいか? 古来、それが宗教に与えられた大きな課題でした。
 「生も歓喜、死も歓喜」 という言葉に象徴される学会の死生観、そして、生命を宝塔と捉えてその尊厳を重視しつつ、死を恐れずに真正面から向き合う姿勢は、その課題に一つの確かな答えを提供しているのではないでしょうか。


 死をどう捉えるのか? その恐怖をどう克服するのか? 古今東西にわたる最大の命題である。 今までどこにいって聞いても、世界有数の ハーバード大学にいっても教えてはくれない。
 しかし、佐藤氏は創価学会だけが、確かな答えを提供していると。
 “「生も歓喜、死も歓喜」 という言葉に象徴される学会の死生観” と、それを実践している学会員の姿のなかに、問題解決の答えがある と述べられている。
 しかし、成仏の生命境涯は、学会からでも、誰人からでも、教えられて解かるものではない。 自分自身が自ら妙法を実践・修行して、体得・感得しなければならない ことを肝に銘じて、共々に頑張って参りましょう。 

テーマ : 法華経の智慧
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

ご無沙汰しております。お変わりありませんか?
先日やっと時間がとれたので、以前お知らせいただきました100分de名著「法華経」を視聴しました。
任用試験の最中でもあった為、植木先生の明快な講義に、教える私も勇躍歓喜し、楽しく勉強することができました。
*等伯の「松林図屏風」は深くてよくわかりませんでしたが…
ここ2年創大の夏季大学講座にも参加できていないので、菅野先生の講義に今年は参加したいと思っています。

4月に義兄が52歳で急逝し、信心して10年に満たない義兄が「我法華経の行者なり」と宣言したかと心配になったり。改めて宿命転換の信心とは何なのか?と考えたり。
ブログ楽しみにしています。谷先生もお体ご自愛下さい。

Re: No title

 お便り有り難うございます。ご返事遅くなって申し訳ありません。

 100分de名著「法華経」を視ていただきましてありがとうございます。
 ビデオに録画されていると思いますので、また、思い出して視聴されますと、新たな感じも湧いてくるのではないかと思います。
 
>菅野先生の講義に今年は参加したいと思っています。
 是非ともご参加なされて、勉学のほどよろしくお願いいたします。
 
 私も昨年、参加しませんでした。
 鼠径ヘルニア(脱腸)が再発し、お医者さんからは、もう年だからリスクを負ってまで、手術をすることはないと言われました。
 念のためにベルトを着用していますが、極暑では蒸れてやり切れません。
 今年はどうしょうかと思っていますが、まだ決めてはいません。

 婦人部長として、組織の戦い大変でしょうが、お体に気を付けて頑張ってください。
プロフィール

谷 建二郎

Author:谷 建二郎
 
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北九州市小倉北区に在住 82歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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