牧口先生の入信

 11月は創価学会の創立の月である。今月の 『大白蓮華・巻頭言』 には、次のように指導されています。
 “創立の父・牧口常三郎先生が妙法の信仰を始められたのは、昭和三年(1928年)、五十七歳であった。
 先生は晴れ晴れと語られている。「この信仰は、何か狭い世界に入るんじゃない。自在の福徳の世界にでるんだよ!」”
とあります。 (2011-11月号)

 創価学会が出現したればこそ、戦時中、滅亡の危機にあった日蓮大聖人のご精神は、蘇えることが出来たのである。そのきっかけは牧口先生が、日蓮仏法の信仰を始められたからであり、どのような御縁があって入信されたのか、興味の湧くところである。

 当時、牧口先生は白銀尋常小学校の校長でした。ある日一人の男がやって来た。教材を売って歩くセールスマンである。中にはゴロツキのような悪徳業者もいて、大抵の学校は嫌がらせを恐れて、何がしかの物を買ってやるのが普通であった。

 牧口先生は、からんできた男に “要らないものは買わない。それが道理じゃ。(趣意)” と、断固として拒否しました。その眼はけいけいとして光り、一点の悪も許さぬ威厳があった。男は圧倒されて、つい頭まで下げてしまった。そしてきまり悪そうに、“参りました。さすがに音に聞く校長さんだ。私はあんたの様な人に巡り会ったのは、これで二度目ですよ。(趣意)” と言った。

 牧口先生は、この男の言葉に非常に興味を持たれました。もう一人・自分と同じような人物がおるんだと!、恐らくは、“信念の人” だと感じられたのではないか! と思われます。その人物は “三谷素啓” という方で、目白商業学校の校長をしていて、池袋の常在寺の講の講頭でもあった。後に 「立正安国論精釈」 を著わしたほどの学者である。

 牧口先生は、思い立つと直ぐに行動に移す実践家であります。10日間ぐらい毎日のように三谷氏宅を訪問し、納得のいくまで対話をし、その上で信仰の道に入りました。後に、この時の感慨を 「言語に絶する歓喜を以て殆ど六十年の生活法を一新する」 と述べられています。

 牧口先生は、価値論の大家であり、それまでのカント派の 「真・善・美」 に対し 「利・善・美」 の価値概念を提唱しました。そして 「美」 よりは 「利」、「利」 よりは 「善」 の価値を追求することが幸福への道であると指導致しました。

 しかし、思いまするに 「善」 の内容について、何が根本の最高の 「大善」 なのか、「善」 の価値概念の思想・哲学的な規範の必要性を痛感されていたのではないか! と思われます。それを常に思索され、求められていたところ、その探求のアンテナに、あの男の一言がキャッチされたと思います。

 『法華経寿量品』 に、「遣使還告(けんしげんごう)」(使いを遣わして還って告ぐ) という一文があります。思いますに、私は大聖人が大慈悲をもって、牧口先生を妙法に導かんがために、一人の男を、仏の使いとして遣わして下さったのではないか!と思えてなりません。

 聞き流してしまえば、ただの世間話に過ぎないが、それをガッチリと受けとめられて、妙法を求め、それを実生活の上に実証し、創価学会を創立された牧口先生は、偉大なる求道者であり、開道者であります。また、命を法華経に捧げた尊き殉教者であります。

 牧口先生のお蔭で、いま我々は会い難き御本尊に会い、成仏への道を歩むことが出来ました。何んたる幸せなことでしょう。この御恩を決して忘れてはならぬと決意するものである。

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テーマ : 創価学会
ジャンル : 学問・文化・芸術

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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