対談集の序文を読んで

 『二十一世紀への対話』 の序文を読んでみました。
 トインビー博士は、比較的に長文の序文を寄せられており、この対談集にかける意気込みのようなものを感じました。

 まず、はじめに 「本書が広範な話題を扱っていることをただちに知るはずである」 と述べられています。
 そして博士は 「本書において、人類史の次の段階では、西欧がその主導権を東アジアに譲り渡すことになろうと予測し、そのいくつかの理由をあげている」 と述べられている。
 現今の中国の台頭をみると、40年前のことであるが、その慧眼の正しさに感じ入りました。

 「両著者は、人類の存続に不可欠の条件として、人類がその姿勢、目標、行為に根深い変革を行うことの必要性をともに信じている。 ただ、全体としてみれば、アーノルド・トインビーは、人類がそうした根深い変革をなすには高価な代償を支払わねばならないと予測する点で、池田大作よりも悲観的である」 とあります。

 これは博士の人類史観が、文明はあらゆる 「挑戦」 を受け、それに 「応戦」 し勝利しゆくところに発展があるという史観によるところであろう。

 「しかしながら、両著者におけるそうした宗教的、文化的背景の違いを考えると、むしろ二人の間で交わされた対話には、それぞれの人生観、目的観に、驚くほどの合致がみられるのである。 しかも、そうした合意点はきわめて広範囲に及んでいる。 そして相違点は比較的わずかである。 まず、二人は宗教こそが人間生活の源泉であると信ずる点で同じ見解に立っている。……」 等々。

 このように多くの共通点があるのは、 「二人の共著者がその哲学論、宗教論を交わすにあたって人間本性中の意識下の心理層にまで分け入り、そこにいつの時代、いかなる場所においてもあらゆる人間に共通する、人間本性の諸要素というべきものにまで到達していることが考えられよう。 すなわち、人間本性の諸要素といえども、やはり森羅万象の根源をなす究極の存在基盤から発生した存在だからである」 と述べられている。

 トインビー博士は、 「池田大作に感謝の意を表したい。 本対談を行うに当たり、池田大作がその イニシアチブをとってくれたこと、またその後本書の発刊にさいして諸手配をしてくれたことに対してである。 すなわち、アーノルド・トインビーがすでに旅行を困難と感ずる年齢に達していたとき、池田大作は進んで訪英の労を取り、わざわざ日本から会いに来てくれた。 本対談中の彼自身の発言部分についての英訳を手配したのも、本書の全内容を書物形式に編集すべく手を尽くしてくれたのも、これまた、大変な仕事であった」 と、具体的な例を引かれてまで、心からの感謝の意を表している。

 池田先生も、 「この世界的に著名な歴史家が、浅学未熟な一若輩に心から胸襟を開き、終始温かい態度でまったく対等の立場に立ち、諸般にわたる意見の交換をしてくれたことに」 甚深の謝意を表している。

 対談の期間中に、東西の首脳会談等のものが催されていて、連日大々的に マスコミで報道されていたとのことである。
 この状況をみて博士は、 「そのようなことは 10年もすれば、みんな忘れ去ってしまい記憶に残らないだろう。それよりも今、ここで行っているこの対談の方が、より重要であり未来に輝くだろう。 …… また、あなたは私より、多くの名誉博士号を受けられるでしょう。(趣意)」 と仰せられたと聞いたことがあります。

 40 時間にもわたった対談を終えた際、トインビー博士は、池田名誉会長の手を握りしめて言った。
 「私は、対話こそが、世界の諸文明、諸民族、諸宗教の融和に、極めて大きな役割を果たすものと思います。 人類全体を結束させていくために、若いあなたは、このような対話を、さらに広げていってください」
 そして、ローマクラブの創立者 ペッチェイ博士など、友人の名前を記したメモを託し、会うことをすすめた。  (ソーカネットより)

 『二十一世紀への対話』 は、今や 「人類の教科書」 「全指導者の必読書」 と讃えられている。未だ読まれてない方は、是非一読されますようお願い致します。

 ソーカネットの記事 → ここから

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谷 建二郎

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北九州市小倉北区に在住 81歳
日蓮仏法と創価思想に関する私の教学的随想

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